会社としてAWSのパートナー企業になっているため、方針としてAWSの認定資格者を増やそうとしています。
私は前職で約3年間AWSを使ったインフラ構築の業務に携わっていたので、ある程度の知識と実績は積んでいます。
ということ、AWSの認定資格の一つである、AWS Certified Solutions Architect – Associate(通称SAA)の資格を取得するために1月の初めから勉強を初めて、1月28日に受験してきました。
AWSの認定資格とは
AWSの認定資格とはAmazonが提供する世界最大規模のクラウドプラットフォーム『Amazon Web Services』に関する知識とスキルを持つことを証明できる資格です。AWSの技術を使用してクラウドアプリケーションやシステムの設計、展開、運用を行う能力を持っていることを証明するために設けられています。全部で4つのカテゴリ12種類の資格があり、多くのAWSパートナー企業に所属する人や個人が取得しています。

今回私が受験したのが、下から2番目のレベルASSOCIATEの中のSolutions Architectです。ソリューションアーキテクト とは、ビジネスの課題を把握し、AWSで提供されている複数のサービスの中から最もコストとパフォーマンスに優れたソリューションの組み合わせを考えて、設計することができることを証明する資格です。
問題方式
AWS資格試験は全て、問題文を読んで答えとなる選択肢の中から1つまたは複数を選択する方式なので、実際にシステム構成図を書いたり、AWSコンソール上でリソースを作成することはありません。試験は全てパソコン上で行います。
例題
EC2インスタンスにパブリックIPアドレス付与してWebサーバーを構築しています。 このIPアドレスはRoute53にてAレコードで特定のドメイン名に対応付けられています。 緊急メンテナンスのために、サーバーを停止しました。再びそれらのサーバーを起動すると 、ブラウザからWEBサイトにアクセスできなくなりました。この問題の根本的な原因として可能性が高い事象はどれでしょうか。
- パブリックIPがElastic IPではなかったため、再起動後にIPアドレスが変わってしまったため。
- Route53によるトラフィックの再設定が必要なため
- ELBからEC2インスタンスへのヘルスチェックが失敗しているため
- サブネットに設定したIPアドレスが変わってしまったため
上記の場合1番が答えなので、1番をマウスでクリックして、次の問題に進むという感じです。なので、AWSの実務経験が全くなくても正しい知識があれば、合格することも可能です。
世の中の実務試験がなくても取れる資格全般に言えることですが、資格を持っているからと言ってその実務スキルがあるかを証明しているかというと、必ずしもそうではないです。とは言え、客観的にその人のスキルを表す指標として資格というものは有効なものには違いないですね。
勉強方法
書籍
私の場合は、まずは書籍を1冊購入して体系的に学びました。


業務で触ったことがあるリソースについては何となく分かるのですが、試験には今まで使ったこともないリソースや、使ったことがあるものでも、「そんな機能があるんだ」ということがよくあります。なので、書籍を使って体系的に学んだ方が良いです。
問題集
書籍はあくまでもAWSの各リソースの特徴について書いてあるのですが、細かいユースケースについては記載していないものが多かった印象でした。なので、試験に慣れるためにも、Udemyのオンライン学習で問題をひたすら解くというのを繰り返しました。購入した講座は
【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
です。試験問題の公開は禁止されているため、あくまで模擬試験ですが、類似の問題が掲載されています。そして、ただ問題と回答・解説が掲載されているだけでなく、最後に全体の正答率、カテゴリ毎の正答率、回答時間などが詳しく表示されます。

また、「問題を見直す」をクリックすると問題文と自分が選択した選択肢が再度表示されるので、どんな問題を間違えたがわかりやすく表示されます。

これで、間違えた問題だけを再度確認して、解き直せばグッと合格に近づくのではないでしょうか。
いざ、受験
試験は全国にある試験センターの会場で受験をするか、オンラインで受験をするかを選択できるのですが、私は試験会場で受験することを選択しました。都会であれば、試験会場もたくさんあるのですが、福井は1ヶ所しかありません。😢
アイビシーエージェント株式会社が運営している福井テストセンターです。ピアソンVUEというAWSやGoogleの認定資格を運営している企業の試験を受験できることができます。

福井県で受験するには、ここしかありませんでした。
会場に到着して、受付を済ますと一人ずつ、試験会場に案内されます。(一人ずつといっても、私以外にもう一人しかいませんでした。)試験会場は、四方の壁に向かって机が並べられていて、机の上にはデスクトップパソコン、マウス、キーボードしかありません。(もちろん、会場内にはスマホや鉛筆なども持ち込めません。)
最初に名前などに間違いがないかを確認して、問題スタート!
…1問目からわからん💦
とりあえず、これだろうというものを選択して、次へ。
2問目は…わからん💦 やばい、難しい…。
もちろん、中にはスッと解ける問題もありましたが、全体的に難しいというか、自分の勉強不足というか…。
試験の規則により、ここでどのような問題が出たか、記載することはできないのですが、内容的には模擬試験に出ていた問題と似たようなものだったのですが、完全に勉強不足でした。😅
結果はいかに…
自分の中で「落ちたな…」と思いつつ、家路に着きました。結果は24時間以内にメールにてお知らせしてくれます。合格ラインは約75%で、1000点満点中720点以上です。
正直、模擬試験でも63%が最高だったので、当然の出来ではありました。終わってしまったことは、覆らないので気にせず、翌朝結果を見ようと、眠りにつきました。
翌日、恐る恐るメールを開きました。

ギリギリ合格でした。やったー😄
感想
初めて、AWSの認定資格というものに挑戦して、改めてAWSのサービスの多さを実感しました。普段は業務で使わない、知らないサービスは、どんなに素晴らしいものであっても候補に上がってきません。ビジネスの課題やユースケースは千差万別です。その中で、どのようなリソースを使ってより良いソリューションを構築して、ユーザーに届けるのか、これがエンジニアの腕の見せどころです。
AWSでは、AWS Well-Architected フレームワークというベストプラクティスというのを公開していますが、最終的にはユースケースに沿って、どのサービスを組み合わせて利用するかは自分で判断しなければなりません。AWS側も多くのマネージドサービスを提供してくれていますが、その数の多さからどれが正解なのかは簡単には決められません。
しかし、一昔前までのオンプレミスサーバーの時代よりも格段に運用する手間は減ってきています。
資格はあくまでも、現時点での一定レベルの知識を証明してくれるものに過ぎないので、これからも勉強を続けていきたいと思います。
次は、Google Cloudの認定資格である、Associate Cloud Engineerに挑戦します!